高円寺
ずいぶん若い頃。
東京のライブハウスに出入りしていた時だから、20歳前後か?
生意気な奴が生意気な事を言う訳だから、相当なとんがりよう
だった。自分。(あとになって気づくが)
目上の人だろうとなんだろうと、自分の意見をガンガン言って、(今、
聞いたら恥ずかしいだろうな〜という青い事を)、何とか相手を組み
伏せようてしていた。
相手から見たら、こちらは若造だから、苦笑いしながら聞いている。
当然、こちらは相手の言う事など聞かない。
ある夜。高円寺。
酒を飲んでいた時に、ライブハウスのマスターに「若い時は、それ
でいいけど、君に意見を言ってくれる大人がいたら、それは、ありが
たいと思って聞かなくては駄目だよ。意見を言えば、嫌われるという
事をわかっていて、敢えて言ってくれる人はそうそうはいないんだか
ら。そういう人を大切にしなくてはね」と言われた。
今でも、そのマスターの顔を思い浮かべる事が出来る。
「いい気になるな」という事を教えてもらった、恥ずかしくて苦い思い出。