虚しさ
他人に傷つけられた日の夜に、それを考えながら眠りに
ついて、いたたまれなくなって、その傷をなぞって、もっと
傷めてしまう事ってあるよね。
それで、やっと安心する。
極限まで行くと、その傷も愛おしくなって、勲章のようになる。
傷つけられた時の方がたくましい。
でも、それは、未来から見た自分。
その瞬間は、眠れない。
自分が他人を傷つけたとわかった時。
忘れよう忘れよう、見ないよう、見ないようとする。
自分は本当の小心者だとわかる瞬間。
「自分の過去の卑怯な振る舞いを、みんなが許してくれると
いいな〜、みんないい人だろうからな〜」と、勝手な事を思い
ながら...。
人が人と分かり合える事などあるはずもない。
残ったのは分かり合おうとした努力だけ。
虚しさが、広がって、言葉になんかできない。
それは、何も語らず、置き去りにして、一人で去っていった。