中小企業のDX化、まずAccessから始めた社長の決断と成果

こんにちは。中堅スタッフです。今回は、弊社のAccessシステム開発サービスをご利用いただいた中小企業の経営者様から伺った、DX化への取り組みについてご紹介したいと思います。

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が当たり前のように使われる昨今ですが、中小企業の現場では「何から手をつければいいのか分からない」「大規模なシステム導入は予算的に厳しい」といったお悩みをよく耳にします。私自身、10年以上この業界でお客様のサポートをさせていただいておりますが、DX化というと大げさに聞こえて、つい二の足を踏んでしまう経営者様が多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、千葉県内で建材の卸売業を営む従業員15名ほどの企業様です。社長様は50代後半の方で、「ITは苦手だけど、このままでは競争に勝てない」という危機感から、思い切ってDX化に踏み出されました。そして最初の一歩として選ばれたのが、Accessによる業務システムの開発だったのです。

■ 「DX化」と聞いて感じた不安と葛藤

社長様は当初、DX化と聞いて「何百万、何千万もかかる大掛かりなシステムを入れなければならない」と思い込んでいらっしゃったそうです。実際、大手のパッケージソフトを検討したこともあったそうですが、初期費用だけで数百万円、月々のランニングコストも高額で、15名規模の会社には負担が大きすぎると感じられたとのこと。

「正直、ITには疎いし、社員も全員がパソコンに詳しいわけじゃない。大きなシステムを入れても使いこなせなかったらどうしようという不安があった」と、当時の心境を語ってくださいました。この気持ち、本当によく分かります。私も日々お客様とお話しする中で、「システムは便利そうだけど、うちには合わないかも」という声を何度も聞いてきました。

そんな中、社長様が目をつけられたのが、Microsoft Access(アクセス)というデータベースソフトでした。Accessは、Microsoft Officeの一部として提供されているため、ExcelやWordのように比較的身近な存在です。また、小規模〜中規模のデータ管理に適しており、カスタマイズ性が高いという特徴があります。つまり、「自社の業務に合わせて必要な機能だけを作る」ことができるのです。

■ なぜAccessを選んだのか?決め手は「身の丈に合った投資」

社長様がAccessでのシステム開発を選ばれた理由は、大きく3つあったそうです。

1つ目は、コストの手頃さです。大手パッケージソフトと比べて、Accessによるオーダーメイド開発は初期費用を大幅に抑えられます。「うちの規模なら、まずは200万円程度の投資で始められるシステムがちょうどいい」と判断されたそうです。実際、弊社でご提案させていただいたシステムは、受注管理・在庫管理・請求書発行という3つの基本機能に絞った構成で、約180万円でスタートしました。

2つ目は、段階的に拡張できる柔軟性です。Accessの大きな魅力は、後から機能を追加したり、修正したりすることが比較的容易な点にあります。「最初から完璧を目指さず、使いながら改善していけるのがいい」と社長様。これは本当に重要なポイントで、業務システムは「作って終わり」ではなく、実際に使ってみて初めて見えてくる改善点がたくさんあります。Accessならその都度、柔軟に対応できるのです。

3つ目は、社内で管理しやすいという点です。クラウド型の大規模システムだと、データがどこにあるのか不安、という声もよく聞きます。Accessなら社内のサーバーやパソコンにデータを置けるため、「自分たちで管理している」という安心感があるとおっしゃっていました。もちろん、必要に応じてクラウド化することも可能ですが、最初は手元で管理できる形からスタートするのも一つの方法だと感じています。

■ 導入の過程で見えてきた「業務の無駄」

実際にシステム開発がスタートすると、社長様にとって予想外の収穫があったそうです。それは、「業務の無駄や非効率が見える化された」こと。

弊社では「プロトタイプ方式」という開発手法を採用しています。これは、お客様と一緒に試作品を作りながら、「これでいいか、ここは違う」と確認しながら進めていく方法です。この過程で、社長様や現場スタッフの皆様と何度も打ち合わせを重ねたのですが、その中で「実はこの作業、二重にやっていた」「この帳票、誰も使っていなかった」といった気づきが次々と出てきたのです。

「システム化しようとすると、業務の流れを整理しなきゃいけない。そのおかげで、今まで何となくやっていた作業が本当に必要なのか見直すきっかけになった」と社長様。これはDX化の大きな副産物とも言えます。システムを入れること自体が目的ではなく、業務を見直し、効率化することが本当の目的なのだと改めて実感させられたエピソードでした。

■ 導入後の効果:数字で見る変化

システムが稼働してから約半年が経過した時点で、社長様に改めてお話を伺う機会がありました。その際に教えていただいた効果は、想像以上のものでした。

まず、受注から請求書発行までの時間が約40%短縮されたそうです。以前はExcelで管理していた受注データを、手作業で集計して請求書を作成していたため、月末になると事務担当者が残業する日が続いていました。しかし、Accessシステムでは受注データを入力すれば自動的に集計され、ボタン一つで請求書が発行できるようになったため、作業時間が大幅に削減されました。

次に、在庫の把握精度が向上しました。「以前は在庫を確認するのに倉庫まで行って目視で数えていたが、今はパソコンで一発で分かる」とのこと。これにより、欠品や過剰在庫が減り、キャッシュフローの改善にもつながったそうです。具体的には、在庫の回転率が約15%向上したというデータもいただきました。

そして何より社長様が喜ばれていたのが、「社員の残業が減った」こと。事務担当者の月間残業時間が平均20時間から5時間程度に減少し、スタッフからも「仕事が楽になった」という声が上がっているそうです。これは働き方改革という面でも大きな成果ではないでしょうか。

■ DX化を進めて気づいたこと

社長様は、この経験を通じていくつかの重要な気づきを得られたとおっしゃっています。

一つ目は、「DX化は大企業だけのものではない」ということ。中小企業こそ、限られたリソースを有効活用するためにデジタル化が必要だと実感されたそうです。「大手はすでに効率化されているけど、中小企業にはまだまだ無駄が多い。だからこそ、システム化の効果が出やすい」という言葉が印象的でした。

二つ目は、「完璧を求めすぎない」ことの大切さ。最初から100点のシステムを目指すのではなく、60点でもいいからまず動かしてみる。そして使いながら改善していくという姿勢が、結果的に成功につながったとのことです。これは私も本当に共感します。システム開発に携わる者として、「完璧主義が導入を妨げる」というケースを何度も見てきました。

三つ目は、「社員を巻き込むこと」の重要性。社長様は、システム導入にあたって現場スタッフの意見を積極的に取り入れました。「トップダウンで押し付けても、結局使ってもらえなければ意味がない」という考えから、開発の初期段階から現場の声を反映させることを心がけたそうです。その結果、スタッフからの抵抗もほとんどなく、スムーズに移行できたとのことでした。

■ 次のステップへ:DX化は続く

現在、この企業様では次のステップとして、営業支援機能の追加を検討されています。具体的には、顧客情報の一元管理や、営業活動の記録・分析機能などです。「最初の成功体験があるから、次も前向きに取り組める」と社長様。DX化は一度やって終わりではなく、継続的に改善していくプロセスなのだと改めて感じさせられました。

また、社長様は「他の中小企業の経営者にも、まずは小さく始めることを勧めたい」とおっしゃっています。「DXという言葉に怯える必要はない。自分たちの課題を一つずつ解決していくことが、結果的にDX化につながる」というメッセージは、多くの中小企業経営者の方々に届いてほしいと思います。

■ まとめ:中小企業のDX化、Accessから始める選択肢

今回ご紹介した事例から、中小企業のDX化において大切なポイントが見えてきたのではないでしょうか。それは、「身の丈に合った投資から始める」「完璧を求めず、改善を続ける」「現場を巻き込む」という3つです。

AccessによるシステムDX化は、大規模な投資が難しい中小企業にとって、非常に有効な選択肢の一つだと私は考えています。柔軟性が高く、段階的に拡張できるため、「まずはここから」という第一歩にぴったりです。そして何より、業務の見直しという大きな副産物も得られます。

もし「DX化に興味はあるけど、何から始めればいいか分からない」とお悩みでしたら、まずは現在の業務の中で一番困っていることを洗い出してみてください。そこから解決策を考えていくことが、DX化への第一歩になると思います。

株式会社ビジネスコンピュータ(https://www.believe.co.jp/)では、Access開発30年以上の実績を活かし、中小企業様のDX化をサポートしております。無料相談も承っておりますので、「うちの会社でも何かできるかな?」と感じられた方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。お客様の業務に合わせた最適なご提案をさせていただきます。一緒に、無理のないDX化を進めていきましょう。